電子化についての問い合わせランキング記事(2024年度版)のアイキャッチ

技術関係書類の電子化が注目を集めた2024年度

デジタル化が加速する現代、企業における業務効率化の一環として注目を集めているのが「紙の書類や図面等の電子化」です。スペースの有効活用や情報共有の迅速化、検索性やアクセス性の向上を可能にする電子化は、多くの企業にとって重要な課題となっています。当社にも、「書類の電子化を進めたい」とお考えのお客さまから、日々多くのご相談が寄せられています。
本記事では、2024年度に寄せられたお問い合わせを基に、企業が感じる課題やその傾向、また解決に向けた具体的なポイントなどについて、詳しくご紹介します。



目次[非表示]

  1. 1.最もお問い合わせが多かったのは技術関係書類
    1. 1.1.技術関係書類の電子化のご相談内容
    2. 1.2.契約関連書類の電子化のご相談内容
    3. 1.3.経理関係書類の電子化のご相談内容
  2. 2.電子化の目的、最多は「省スペース化」。次に「業務効率化」、「情報共有化」と続く
    1. 2.1.電子化による省スペース化:限られた空間を最大限に活用
    2. 2.2.電子化による業務効率化:日常業務をより効率的に
    3. 2.3.電子化による情報共有化:情報へのアクセス性を向上
  3. 3.まとめ



最もお問い合わせが多かったのは技術関係書類

ここでは、当社へ寄せられたお問い合わせ内容をもとに、電子化の対象として注目されている書類の種類について探ります。2024年度、お問い合わせ内容より書類の種類を判別できた77件の内訳は、以下のとおりとなりました。

※回答形式は複数回答です。


電子化の種類についての問い合わせランキンググラフ(2024年度版)


中でも、以下の3つの書類に多くの回答が集まりました。

  • 図面、技術資料などの技術関係書類
  • 契約書、注文書などの契約関係書類
  • 請求書、見積書などの経理関係書類

また、「その他」の内訳には会議資料、記録文書、行政文書などが挙げられました。


技術関係書類の電子化のご相談内容

2024年度は、技術関係書類の電子化について非常に多くのご相談をいただきました。中でも多かったのが図面の電子化に関するお問い合わせです。技術関係書類に関する18件のお問い合わせのうち、図面に関するお問い合わせが10件と半数以上を占める結果となりました。他には技術資料や完成図書、製造業務にかかわる書類などについてのご相談もいただきました。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 散逸防止のため、製本されている図面集をPDF化したい。図面数は100枚程度で、竣工図面や青焼き、見開きA1の図面などが、A2サイズで製本されている。また、別途紙でのコピーを作成し製本してもらうことは可能か教えてほしい。
  2. 設備図面をPDF化してほしい。図面はすべて青焼きで作成されており、種類としては、完成図書のほか、冊子化されているものもある。また、納品形態はDVDとしてほしい。
  3. 製造履歴についての資料を電子化したい。また、電子化後のファイル名を製造番号にしたいため、OCR処理にて製造番号を読み取り、ファイル名に設定してほしい。

図面に関するお問い合わせでは、電子化の対象資料としてA2サイズ、あるいはそれ以上の大型図面を電子化したいという希望が複数寄せられました。また、電子化の目的としても省スペース化が多く挙げられるなど、電子化によるスペース削減効果への関心が高まっています。
大型図面などを含む技術関連書類は、保管に多くのスペースを要し、オフィススペースやキャビネットなどを圧迫してしまいがちです。これらを電子化し、電子化後の書類を外部倉庫に移管、または廃棄することで保管スペースを削減し、オフィススペースの最適化を図ることができます。

ほか、業務効率化、情報の共有化なども、電子化の目的として挙げられました。



契約関連書類の電子化のご相談内容

前年度に引き続き、契約関連書類の電子化についても多くのお問い合わせが寄せられました。契約書の電子化が依然として注目されているほか、注文書など契約関連全般の書類に関する電子化のご相談も増加しています。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 契約書を中心に、5,000枚ほどの資料を出張スキャニングで電子化してほしい。拠点が複数あるため、それぞれ現地でスキャニングを実施し、原本はその場で返却してほしい。
  2. 契約書や、その他契約関係の書類を電子化したい。各種書類はバインダーとじ、クリアファイルとじ、ホチキス止めなど保存形態がばらばらで、印刷も片面・両面印刷が混在している。原稿サイズはほぼA4だが、一部サイズ違いも混ざっているかもしれない。
  3. 契約書のコピーを電子化したい。電子化後は検索ができるようにしたくOCR処理を検討しているが、契約書が原本ではなくコピーである場合、どの程度の精度で文字認識ができるか教えてほしい。
  4. 契約書類のほか、経理書類や人事関連書類、技術資料などをまとめて電子化したい。対象となる書類はおおよそ10万ページ以上と大量にあり、中には最大でA1サイズの資料も含まれている。また、資料によって保管形態が異なるほか、モノクロ・カラー、両面・片面印刷、紙質なども資料によってさまざまに混在している。
  5. 袋とじの契約書を解体せずに電子化したい。バインダー外し、ホッチキス・クリップ外し、折ってある原稿を広げる等の作業を行った場合は元通りに復元してほしい。

契約関連書類の電子化について、今年度特に多かったのが出張スキャニングサービスについてのお問い合わせです。当社の「出張スキャニングサービス」では、専門機材と専任スタッフがオフィスに直接出向き、お客様の現場で書類の電子化を行います。契約書のように機密情報や個人情報が含まれる書類は、社外への持ち出しが難しい場合も多いですが、出張スキャニングサービスにより安全かつ効率的に電子化を行うことが可能です。

なお、電子化の目的としては、省スペース化や業務効率化など、様々な目的が挙げられました。



経理関係書類の電子化のご相談内容

昨年度までと比較してご相談数が増加したのが、請求書見積書納品書など、経理関係書類の電子化に関するお問い合わせです。紙ベースの運用からデジタル化への移行を検討する企業が増え、電子化のニーズも増加傾向にあると推察されます。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 請求書、注文書、見積書、契約書などをあわせて電子化したい。月に一定量ずつ電子化したく、500枚/月と1,000枚/月で電子化する場合の金額等についてそれぞれ教えてほしい。
  2. 過去にお客様へお渡しした見積書や説明書等、売上伝票に付随する書類の控えを電子化したい。これらの書類は複数の拠点から定期的に本店に届けられており、箱や袋でまとめて保管されている。7年間の保管義務があるが閲覧頻度は非常に低いため、電子化を行った後に紙を廃棄したい。
  3. 請求書の受取代行と、受け取った請求書の電子化を行ってほしい。

経理関係書類の電子化には、主に業務効率化が目的として挙げられました。紙の請求書をデジタル化することで運用範囲が広がり、業務の効率化と省力化が実現できます。また、電子データをサーバーやクラウドなどに保管することで、場所や時間を選ばずいつでも情報へアクセスできるようになるため、経理担当者のテレワーク推進にも寄与するでしょう。
また、当社の請求書受取代行サービスについてのご相談もいただきました。このサービスは、お客様のお取引先から送られる紙の請求書を当社で直接受け取り、電子化を行うものです。これにより負担の軽減だけでなく、煩雑な書類の管理作業を簡素化し、より効率的な業務体制を構築することが可能です。



電子化の目的、最多は「省スペース化」。次に「業務効率化」、「情報共有化」と続く

次に、どのような目的で電子化を検討されているのかを見ていきます。電子化の目的についてご回答いただいた51件の内訳は、以下のとおりです。昨年度から引き続いて、電子化を行う目的としては「省スペース化」が最多となりました。続いて業務効率化情報共有化にも、多くの回答が集まりました。

※回答形式は複数回答です。


電子化の目的についての問い合わせランキンググラフ(2024年度版)



電子化による省スペース化:限られた空間を最大限に活用

昨年度に続き、2024年度も電子化による「省スペース化」や「スペース削減効果」への関心が非常に多く集まりました。中でも、「電子化を通じて書類の保管スペースを削減したい」などといったご相談は特に多く寄せられました。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. オフィスのレイアウト変更を予定しているため、キャビネットに保管している書類を電子化し、スリム化を図りたい。電子化後は、廃棄する書類とビル内の倉庫スペースで保管する書類に分けて管理を行う予定。また倉庫で保管している資料も量が増えてきているため、将来的にはこちらも電子化したい。
  2. 人事関係書類一式を電子化したい。現在、数千人分もの人事資料がキャビネットに保管されており、スペースを圧迫している。全社的に人事書類の収集方法を紙からクラウド収集へと切り替える動きがあるため、合わせて過去分も電子化したい。PDFは社員一人につき1PDFで作成し、会社名、社員番号、氏名をファイル名にしてほしい。

紙の書類や図面などは電子化することで物理的な保管場所が不要となるため、オフィスや倉庫などの保管スペースをより効果的に活用することができるようになり、オフィス空間の最適化が実現します。たとえば、空いたスペースに会議室や集中スペースなどを設置し快適な業務環境を整えたり、休憩スペースを増設することでコミュニケーションを促したりすることも可能です。
また、外部倉庫などに資料を預け入れている場合、保管コストの削減や、賃料の軽減などにも直接的に寄与できるでしょう。



電子化による業務効率化:日常業務をより効率的に

電子化による「業務効率化」の効果についても、引き続き多くの関心が寄せられました。「ファイル名やフォルダ構成を指定したい」、「リストを作成してほしい」など、電子化後の管理をしやすくしたいというご相談も多くいただきました。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 過去数十年分の会議資料を電子化したい。古い資料は会議の議題名がリスト化されておらず、比較的新しい資料でも紙でリストを作成しているため検索できない。電子化とあわせて、議題名の検索ができるようになる機能があれば提案してほしい。
  2. 業務効率化、また省スペース化のため電子化を行いたい。まずは段ボール1箱分のスキャニングし、その後問題がなければ大量にある書類をまとめて電子化してほしい。また、作成したデータのファイルの分け方ファイルのタイトルは指定したい。

書類を電子化することで、物理的な書類を探す必要がなくなり、フォルダ階層やファイル名を用いた検索も可能となるため、大幅な検索性の向上が期待できます。また、必要な書類や資料をスピーディーに見つけ出せるようになり、日々の業務が効率化します。
さらに、書類の電子化を機会として、業務プロセス全体の見直し標準化を進めることが可能です。紙を利用した手動のワークフローを削減し、電子データを主としたワークフローを新たに構築することで、ヒューマンエラーのリスクを軽減し、業務精度の向上や、企業全体の生産性向上にもつながります。



電子化による情報共有化:情報へのアクセス性を向上

電子化の目的として、書類を電子化することで「情報の共有化」を行いたい、といったご相談も数多く寄せられました。また、情報の共有化を目的とした電子化では、OCR処理を希望されるお客様も多く、注目が集まりました。
具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 雑多にファイリングされている内部資料を電子化し、各資料の要点をまとめたい。単なる電子化ではなく、OCR処理を行って文字情報をコピーできるようにしてほしい。
  2. 情報共有化のため、社史や報告書等を電子化したい。作成したデータには、OCR処理を行ってほしい。

情報の共有化は、業務の効率化にも貢献する重要な要素です。書類やデータを電子化し、クラウドや社内ネットワークを活用することで、従業員がどこにいても同じデータにアクセスできるようになります。これにより、社員やチーム間での情報共有がスムーズになり、業務の遅延やミスの削減が期待できます。
さらに、OCR処理を行うことで、作成した画像データに検索可能テキストデータを付与することができます。これにより、情報の検索や抽出がさらにすばやく行えるようになり、さらなる効率化とアクセス性の向上を実現できます。



まとめ

2024年度は、「技術関係書類」、「契約関連書類」、「経理関連書類」の電子化についてのご相談が多数寄せられました。これらのお問い合わせの背景には、「保管スペースの削減」、「業務の効率化」、「情報の共有化」といった具体的な目的があることがうかがえます。

書類を電子化することで、オフィス内の物理的な保管スペースが不要となり、限られた空間を有効活用できるようになります。さらに、電子化した書類は検索機能を使って簡単に目的の情報を探し出すことができるため、日々の業務の効率化に大きく寄与します。
また、電子化したデータを活用することで、離れた支店や異なる部署間でも迅速に情報を共有できるようになるため、情報連携の円滑化やタイムリーな意思決定、ひいては生産性の向上をも実現することが可能です。

皆さまのオフィスでも以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?

  • 紙の書類がオフィスのスペースを圧迫している
  • 必要な書類を探すのに時間がかかり、業務の負担になっている
  • 他部署や支店間での情報共有スムーズに行えない
  • 一部の業務が未だ紙ベースで運用されており、非効率的


こうした課題に心当たりがある場合は、ぜひ、書類の電子化を検討してみてください。

当社ではまず、お客さまの書類の利用や保管の状況をお伺いしています。お客さまの課題に沿った、最適な電子化の方法をご提案いたします。
紙の書類や図面の電子化のことでお困りでしたら、お気軽に当社へご相談ください。


書類の保管状況を伺ってから、ご要望に沿ってお見積もりします。
サービスに関する質問などお気軽にお問い合わせください。
「どのように電子化を進めたらよいか」のご相談も承っております。

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