2023下半期まとめ

契約関係書類を中心に電子化が加速した2023年度

デジタル化の波が広がり続けている今日、企業における業務の効率化に欠かせない存在となりつつあるのが「紙の書類や図面等の電子化」です。「保管スペースを削減できる」、「容易に情報共有ができる」など、電子化には多くのメリットがあり、近年ますます注目を集めています。当社にも、紙の書類や図面等の電子化を検討するお客さまから日々さまざまなお問い合わせが寄せられています。

本記事では、2023年度にいただいた「書類の電子化」に関するお問い合わせを分析し、その傾向や内容、解決策について、詳しくご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.2023年度、最も電子化が検討されていたのは契約関係書類
    1. 1.1.契約関連書類の電子化のご相談内容
    2. 1.2.技術関係資料の電子化のご相談内容
    3. 1.3.人事・健診関係書類の電子化のご相談内容
  2. 2.電子化の目的は「スペース削減」が中心
    1. 2.1.電子化が実現するスペース削減
    2. 2.2.電子化がもたらす業務効率化
    3. 2.3.電子化された書類は情報共有が容易
  3. 3.まとめ



2023年度、最も電子化が検討されていたのは契約関係書類

2023年度に電子化が検討された書類の種類について、お問い合わせ内容から種類を判別できた89件の内訳は、以下のとおりとなりました。なお、回答形式は複数回答です。

電子化したい書類の種類グラフ_2023年度

中でも、特に多くの回答が集まったのは以下3種類の書類でした。

  • 契約関係の書類(契約書注文書など)
  • 技術関係の資料(図面技術資料など)
  • 人事関係の書類(人事資料健診結果など)

また、「その他」の内訳としてはカルテ申請書試験の答案(マークシート形式)などが挙げられました。



契約関連書類の電子化のご相談内容

昨年度に引き続き、契約書の電子化に関して数多くのご相談をいただきました。契約書や注文書などの契約関連の書類は、依然として一定の電子化需要があることがうかがえます。

具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 数千件に及ぶ契約書をすべて電子化したい。電子化した契約書のファイル名には管理番号を振り、管理が容易にできるようにしたい。
  2. 製本された契約書を解体せずに電子化したい。また、電子化したファイルを管理するためのデータベースを作成してほしい。
  3. 契約書や注文書などの電子化を行いたい。OCR処理原本溶解処理を行ってほしい。

契約関連書類の電子化についてのお問い合わせで多く寄せられたのは、電子化に加えてOCR処理データベースの作成も行いたい、とのご要望でした。電子化の目的としても業務効率化情報の共有化が多く挙がり、電子化後の書類の管理活用を重視する傾向が見られました。

また、「移転に伴いスペースを削減したい」など、スペースの削減を目的としたご相談もいただきました。


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技術関係資料の電子化のご相談内容

技術関係書類の電子化に関するお問い合わせの中で、最も多く寄せられたご相談は図面の電子化についてのものでした。また、技術資料工事完成図書裁判関連書類特許申請にかかわる書類などについてのご相談も多く寄せられています。

具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. A2~A0までの大型図面を電子化したい。また、図面に限らず資料の置き場所に困っている。
  2. 都内各地の事務所に保管されている書類を電子化したい。社外への持ち出しが難しいため、出張訪問してもらい、各事務所で電子化を行ってほしい。
  3. 電子化したい書類があり、内製で進めていたが、思うように進まなかったため委託を検討している。出張スキャニングドキュメントセンターの設置についても興味があり、こちらについて教えてほしい。

電子化の目的として、スペース削減を挙げられているお客さまが多く、保管スペースの不足が課題となっていることがうかがえました。図面のような大型の資料を含む技術関連の書類や資料は、保管スペースを圧迫しやすいため、電子化によって問題解決を図るお客さまが多かったと推測します。

また、出張スキャニングサービスについても複数のお問い合わせをいただきました。出張スキャニングサービスは、代行会社が専門機材と専任チームを派遣して、お客さまの社屋内で書類の電子化を行うサービスです。機密情報が含まれている、業務内での使用頻度が高いなど、さまざまな理由により書類の社外持ち出しが難しい場合も、このようなサービスを活用することで電子化の代行を委託することが可能となります。


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人事・健診関係書類の電子化のご相談内容

人事・健診関連書類の電子化については、履歴書職務経歴書などの人事関係書類や、健康診断関係の書類など、幅広い内容のご相談をいただきました。

具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 雇用契約書や履歴書など、人事関係の書類を電子化したい。電子化した書類のファイル名には、指定の命名規則でファイル名を付けてほしい。
  2. 社員の健康診断結果を電子化したい。健康診断結果は年に1回、数千枚ほど発生する。まずは過去数年分を一括で電子化し、その後発生する分も継続して電子化してほしい。
  3. 人事関連資料をまとめて電子化したい。ファイル名には年月日と社員氏名を入力して作成してほしい。

電子化の目的としては、情報の共有化が最も多く、次いでスペース削減コスト削減が挙げられました。中でも、電子化後の書類をファイル名フォルダ構成で探せるようにしたいというご要望が多く寄せられ、情報の検索性向上を重視する傾向が見られました。

電子化した書類を保存する際、ファイル名やフォルダ構成を工夫することで、情報の検索性を向上させ、必要な書類を探し出すために要する時間を短縮することができます。情報の検索や共有にかかる手間、時間コストの削減などが期待されていると考えられます。

 
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電子化の目的は「スペース削減」が中心


電子化の目的について回答いただいた、全66件の内訳です。回答形式は複数回答です。

書類の電子化の目的グラフ_2023年度

最も多くの回答が集まったのはスペース削減、次いで業務効率化情報共有化という結果になりました。



電子化が実現するスペース削減

電子化の主な目的として、最も多く挙げられたのが「スペース削減」です。例年多くのお客さまからお問い合わせをいただく「スペース削減のための電子化」ですが、2023年度も変わらず多くのご相談が寄せられました。
契約書図面人事関係書類など、どの種類の書類に関するお問い合わせでも頻繁に目的として挙げられたほか、移転に伴いスペースを削減したい、といったご相談もいただきました。具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 書類を電子化して紙の保管量を減らし、書庫として利用しているスペースを別の目的に使用したい。電子化にかかるコストのほか、電子化後の検索性や、必要となるデジタルストレージのデータ量なども教えてほしい。
  2. 事務所のスリム化を検討しているため、キングファイルに綴じられている数万枚の資料をまとめて電子化したい。また、ファイル背表紙の名称をそのまま電子化後のファイル名として命名してほしい。
  3. 事務所の移転が決定したため、現在紙で保管している書類を電子化して保管スペースを削減したい。

紙の書類や図面などを電子化し、サーバーやクラウド上で管理することで、保管スペースを大幅に削減することができます。その結果、執務室やオフィス全体の空間をより効率的に活用できるようになり、オフィススペースの最適化が実現します。
例えば、書類用のキャビネットを撤去して、空いたスペースを新しい会議室や作業スペース、リフレッシュスペースなどの設置に活用することも可能です。特に、図面などの大型の資料や、保管量の多い書類を電子化する場合には、より明確に効果を実感することができるでしょう。

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電子化がもたらす業務効率化

業務効率化を目的とした電子化のお問い合わせも多数ありました。特に多かったのは、「Excelでリストや管理台帳を作成してほしい」、「OCR処理を行い、全文検索ができるようにしてほしい」、「ファイル名やフォルダ構成から書類を探せるようにしてほしい」など、電子化後の活用に関するご相談です。書類の探しやすさ管理のしやすさが重要視されていることが伺えます。

具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 過去の顧客資料を電子化し、検索性を向上させたい。以前、内製で電子化を行ったが、作成したPDFの検索性が悪く、紙から探す運用が変わらなかったため委託を検討している。実際の業務内で活用できる、探しやすいPDFファイルを作成してほしい。
  2. 過去の社内稟議書を電子化したい。過去の稟議書についての問い合わせは月に数件あるが、検索方法などがなく、問い合わせのたびに数時間かけて探している。紙での運用では手間も時間もかかるため、電子化して効率的に書類を検索できるようにしたい。
  3. 業務を効率化するため、契約書を電子化したい。また、Excelのリストもあわせて作成してほしい。

紙の書類を電子化することで、その検索性を格段に向上させることができます。電子化された書類は、OCRを活用した全文検索や、ファイル名・フォルダ構成を活用したフォルダ内検索など、さまざまな方法を用いて検索することが可能です。時間や場所を選ばず簡単に書類へアクセスでき、業務の連携もスムーズに行えるため、処理速度の向上と作業時間の短縮が見込まれます。
さらに、移動や複写の手間も不要となるため、書類の紛失などのミスの抑制にも効果的です。

 
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電子化された書類は情報共有が容易

情報の共有化を目的とした電子化には、契約関係書類に関するお問い合わせが最も多く、次いで稟議書議事録など社内資料の電子化についてのお問い合わせもいただきました。
これらの書類には、契約の内容や期間、社内の決定事項など、日々の業務を運営する中で必要となる情報が数多く含まれています。このように参照頻度が高かったり、情報を複数人で共有する必要があったりする書類は、電子化を行うことで業務プロセスを格段に効率化することができます。

具体的なご相談内容としては、以下のようなお問い合わせがありました。

  1. 報告書や技術資料などを電子化し、情報を共有化したい。OCR処理を行って、全文検索やコピー&ペースト等ができるようにしてほしい。
  2. 紙で保管している明細表などを電子化してデータベース化し、情報共有をスムーズに行えるようにしたい。
  3. 情報の共有化、また業務の効率化のため、契約書の電子化を検討している。誰でも検索や管理がしやすいよう、管理番号をファイル名としてほしい。

電子化されたデータは、即時共有できるという特徴をもちます。
従来、紙の書類を閲覧するためには、その書類が保管されているキャビネットや地下の書庫、あるいは外部の倉庫まで書類を取りにいかなければなりませんでした。加えて、その情報を共有するには、書類を物理的に送付したり、持参したりする必要があり、さらなる手間がかかります。

一方で、電子化された書類はファイルサーバーやクラウドサービスにアップロードしたり、電子メールで送信・受領したりすることで、閲覧共有容易に行うことができます。また、リアルタイムでの情報共有が可能となるため、場所を問わずに必要な情報にアクセスし、迅速かつ効率的に業務を進めることができるようになります。これらはテレワークや働き方改革の推進に寄与するほか、チーム全体の生産性と協調性を高める効果も期待できます。


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まとめ

2023年度は、「契約関係書類」、「技術関係書類」、「人事関係書類」の電子化について、多くのお問い合わせをいただきました。その背後にある目的として多く挙げられたのは、「スペース削減」や「業務効率化」、「情報共有化」などでした。
紙の書類や図面などの資料を電子化することで、それまで保管に要していたスペースが不要になり、リアルタイムでの情報共有も容易となります。また、検索性が大きく向上するため、情報の取り出しにかかる時間を大幅に削減することができ、業務の効率的な遂行に寄与します。

皆さまのオフィスでも以下のような問題を抱えていないでしょうか。

  • 書類が事務所のスペースを圧迫している
  • 書類による業務の弊害が生じている(探すのに時間がかかる、離れた拠点で利用する際に取り寄せが必要になる)
  • 書類による手続きをシステム化したが、一部、紙の運用が残っている

このような課題がありましたら、電子化を検討してみてはいかがでしょうか。

紙の書類や図面の電子化のことでお困りでしたら、お気軽に当社へご相談ください。



書類の保管状況を伺ってから、ご要望に沿ってお見積もりします。
サービスに関する質問などお気軽にお問い合わせください。
「どのように電子化を進めたらよいか」のご相談も承っております。

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