契約書や技術書類管理の電子化が話題になった2022年度下半期
現代は、デジタル化が驚異的な速さで進化し、私たちがこれまで経験したことのない未来を形作っています。
デジタル化が進んだ影響で、紙の書類から電子書類への移行もまた進んでいます。スペース削減や業務の効率化、情報共有などのメリットにより、書類の電子化はますます重要性が高まっているようです。
当社にもここ半年間に、さまざまな業種・業界からの問い合わせが寄せられました。本記事では、2022年10月~2023年3月に寄せられた書類の電子化に関するお問い合わせの傾向や、解決策について紹介します。
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2022年度下半期も問い合わせが多かった契約・技術書類管理
問い合わせの中で書類の種類が判別できた38件の内訳です。回答形式は複数回答です。
多くの回答が集まった書類の上位3つは以下の種類のものでした。
- 契約書・注文書などの契約関係の書類
- 図面・工事関係の書類・品質や検査記録などの技術関係の書類
- 請求書・見積書などの経理関係の書類
次いで多かったのは履歴書など人事部門に関係するもの。
研究に関する資料や、申請書や稟議書などの手続きに関する書類のお問い合わせもありました。
契約書の電子化の問い合わせ内容
契約書の電子化に関する問い合わせは前回と引き続いて多い傾向にありました。契約書の電子化における目的で最も多いものはスペース削減でしたが、業務の効率化や情報共有を目的とするものも、順に多くありました。契約書の電子化を検討されるお客さまは、省スペース効果だけでなく、業務の効率化や情報の共有化など、業務を改善する効果も求められているということがうかがえます。
図面などの技術資料の電子化の問い合わせ内容
図面などの技術資料の電子化で多かったのはスペース削減を目的としたものでした。それ以外に業務の効率化や情報共有も挙がっていました。
図面はサイズがA0やA1などの大型のものが多く、電子化によるスペース削減の効果が目に見えて分かりやすい書類のひとつでしょう。
一方、広い地域に渡って展開している事業者さまから、図面が地方の拠点に散在していて、閲覧のために遠方の事業所まで出向かなくてはならない、といったご相談を受けたこともありました。このような状況下では、書類を電子化して共有サーバーで保管することによって、共有性が高まり、書類を見に行くための移動がなくなります。
電子化の「省スペース+効率+共有」を実現する力が期待されていた
電子化の目的について回答いただいた17件の内訳です。回答形式は複数回答です。
前回同様、最も多くの回答が集まったのはスペース削減。次いで業務効率化、情報共有という結果になりました。
一方で、前回から引き続いて環境対策も挙がっていました。
オフィススペースの有効活用のための書類電子化
スペース削減を目的とした書類の対象としては契約書以外にも見積書、図面、履歴書、会議記録、届出書類、などがありました。
総じて多かったのは、日常的に使用している書類ではなく、過去に作成され現在はほとんど使用していない書類を電子化して廃棄したいというご要望でした。
書類の削減が必要な理由はさまざまなのですが、テレワークの継続で、事務所の縮小移転やレイアウト変更を検討されているというご相談がありました。一方で、テレワーク導入によりオフィスを縮小していた会社からは、テレワークの廃止が決まり、オフィスの収容人数を増やすためにスペースを創出したいというご相談もありました。いずれも、書類の保管スペースを削減し、スペースを有効活用することによって、施設関連の費用の効率的な抑制を図っていると考えられます。
事務所移転における文書削減の進め方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
移転プロジェクトのご担当者さま向け! 移転における文書削減・書類電子化の進め方
業務効率を上げるための書類電子化
業務効率化が目的の問い合わせで多かったのは、契約関係の書類、経理関係の書類などを対象としたものでした。
書類を電子化すると、自席のPCで簡単に検索ができるため、書類を探す時間を短縮できます。書類を探す時間だけでなく、書類の移動や複写にかかる手間を省くことができ、業務の効率化が期待できます。また、電子化した書類はPCで扱えるため、ワークフローなどのシステムによる運用にも活用が可能です。
電子化した書類の情報共有しやすい性質も業務効率の向上に大きく貢献します。例えば、必要な書類をスキャンして、共有フォルダに保存し、社内の関係者が必要な時にダウンロードすることで、情報共有の円滑化が図れます。また、クラウドストレージを利用して書類をアップロードすることで、必要な時に必要な場所からアクセスできるようになります。
書類の電子化のメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
総務・経理部門や事業開発・経営企画部門からの問い合わせが多かった
問い合わせいただいた部署、72件の内訳です。回答形式は単数回答です。
問い合わせを多くいただいた上位3つは以下の部署でした。
- 総務・経理部門
- 事業開発・経営企画部門
- 設計・生産・製造・品質部門
総務・経理部門からの問い合わせの傾向
契約書や見積書などの証憑類のご相談が多い傾向にありました。令和5年10月1日のインボイス制度の導入および令和4年4月1日施行の電子帳簿保存法改正をきっかけに国税関係書類の電子化を進めるお客さまが多かったと考えられます。その他に会議記録や履歴書などの電子化のご相談がありました。
電子化の目的はスペース削減に占める割合が高いようでした。
事業開発部門・経営企画部門からの問い合わせの傾向
経営企画部門や事業開発部門など、企業の経営戦略や事業展開を担当する部門は、業務範囲が多岐にわたるため多種多様な書類を保管しています。契約書や証憑類、図面、稟議書・決裁書などさまざまな書類の電子化について問い合わせがありました。
また、電子化の目的にはスペース削減と業務の効率化、情報共有という回答が同程度に多いようでした。
まとめ
2022年下半期にペーパーレスが検討された書類で多かったのは前回同様、契約関係、技術関係でした。
これらの書類の電子化はスペース削減や業務の効率化を目的としています。その理由としては、テレワーク導入企業によるオフィスの縮小移転やレイアウト変更が聞かれた一方、テレワークの廃止によるスペース不足も聞かれました。
部門を見てみると、今期は総務・経理部門から最も多くのお問い合わせをいただきました。契約書、見積書などの証憑類や会議記録などの電子化の問合せが多数ありました。
皆さまのオフィスでも以下のような問題を抱えていないでしょうか。
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当社ではまずお客さまの書類の利用や保管の状況を伺っています。課題を洗い出し、お客さまに最適な電子化の方法をご提案しています。
例えば「書類の電子化だけでなく、郵送されてきた書類の受領から依頼したい」というご要望があった場合、書類の電子化だけでなく、開封や、仕分け、関連するデータとの紐づけなどの一連の事務のBPOにも対応いたします。
また、FAQ(よくあるご質問)のページで
- 見積りをとりたいが、どんな情報を提供すれば良いか?
- 製本されている文書について、断裁(破壊)せずにスキャニングできるか?
といった、スキャニングサービスにまつわるよくある質問も別ページでご紹介していますのでよろしければご覧ください。
書類の電子化のことでお困りでしたらお気軽に当社へご相談ください。