書類に埋もれた人

ペーパーレス化したいが何から手をつければよいのかわからない方向け、ペーパーレス化を進める5つのポイント

近年、多くの企業が業務の効率化やコスト削減、またはSDGsの取り組みなどを目的にペーパーレス化を検討しています。働き方改革における環境整備の一環として、キャビネット削減フリーアドレス化が求められ、これに伴いペーパーレス化の検討がますます増えています。

しかしながら、私たちには「ペーパーレス化したいけれども、具体的な進め方がわからない!」といったご相談が頻繁に寄せられるようになりました。

ペーパーレス化には、主に2つの方法があります。「紙文書を電子化(PDF化)する」方法と「最初から文書をデジタルで作成する(ワークフローシステム化する)」方法ですが、ここでは前者の「紙文書を電子化(PDF化)するペーパーレス化」の進め方について、費用の見積もりを依頼するまでの過程を説明します。

なお、すでに紙文書を電子化することが決まっていて、電子化の進め方をご覧になりたい方にはこちらの記事がおすすめです。
紙文書を電子化したいが何から手をつければよいのかわからない方向け、電子化を進める5つのポイント


また、事務所移転を控えている方々にとって重要な課題となる紙文書の削減。事務所の移転に特化した、紙文書の削減の進め方をご覧になりたい方にはこちらの記事がおすすめです。

移転プロジェクトのご担当者さま向け!移転における文書削減・書類電子化の進め方


目次[非表示]

  1. 1. 1  不要な文書を廃棄する
    1. 1.1.廃棄すべき文書の例
    2. 1.2.廃棄作業におけるポイント
  2. 2. 2  残った文書を仕分ける
    1. 2.1.残す文書の4分類
    2. 2.2.電子化対象の判断基準
  3. 3. 3  自社で行うか代行会社に委託するかを決める
  4. 4. 4  委託先を選定する
  5. 5. 5  見積もりをとる
  6. 6.まとめ


 1  不要な文書を廃棄する

ペーパーレス化の初めの一歩として、まずは不要な文書を廃棄することが重要です。不要な文書を削除するだけで、かなりの量を削減できます。廃棄する際、判断に迷わないよう、廃棄ルールを定めましょう。
どのような文書が廃棄すべきなのか、以下に廃棄すべき文書の例を紹介します。



廃棄すべき文書の例

廃棄すべき文書として以下のようなものが挙げられます。

  • 保管義務がない文書:法律や社内規程などで保存することを定められていない文書です
  • 保管期限を満了した文書:保管期限を満了後、廃棄可能な文書。
  • 管轄外の文書:所管部門が管理しており、手元にあるものが複写・配付された文書などです。
  • 使っていない(今後使う予定もない)私用の文書:紙文書の中には、業務と関係ない私用の文書が混在していることも。これらも見直しの対象になります。



廃棄作業におけるポイント

次に、廃棄作業における重要なポイントを2つ紹介します。



ポイント 上長の方と一緒に作業!

廃棄作業を一人で行うと判断に迷うことが多々あり、作業がなかなか進みません。
そこで重要なのが、“廃棄の判断ができる担当者や上長の方と一緒に作業を行うこと!”です。これにより、迷ったときにすぐに判断を仰げ、スムーズに作業を進められます。



ポイント 個人情報の廃棄に注意!

廃棄の作業中には個人情報や機密情報を誤った方法で廃棄してしまう可能性があります。個人情報や機密情報の廃棄は、会社のルールにしたがって適切に行うことが重要です。個人情報や機密情報の廃棄方法が一般文書と異なる場合は、廃棄用の箱に「一般文書」「個人情報」「機密情報」などと明記して区分することで、注意喚起にもなります。



 2  残った文書を仕分け

不要な文書の廃棄が終わったら、残った文書を以下の4つに分類します。



残す文書の4分類

電子化後廃棄するもの…電子化後、保管しておく必要がない文書・保管義務がない文書など
電子化後、書庫や倉庫に移管するもの…電子化後、保管しておく必要がある文書・保管義務がある文書など
電子化せず、書庫や倉庫に移管するもの…長期の保管義務はあるが、ほとんど使用しない文書など
執務室に残すもの…現在使用している文書(仕掛かり文書
)など

ペーパーレス化における文書削減の際に残す文書の4分類

こで問題になるのが、「どんな文書電子化したらよいか」という点です。
ここからは電子化の進め方について詳しくご説明します。



電子化対象の判断基準

電子化の効果が高い文書を紹介します。



費用対効果の高い文書

電子化は、倉庫保管と比較すると作業にかかる労力や時間、費用がかかります。しかし、情報共有の容易さ、検索性の向上、迅速な問合せ対応など、業務効率が向上することが電子化のメリットです。そのため、以下のような文書は電子化の効果が高いといえます。

  • 使用頻度の高い文書
  • 共有度の高い文書
  • 検索スピードが求められる文書



紛失・劣化のリスク抑制したい文書

紙原本を活用していると紛失や劣化のリスクが発生します。以下のようなリスクがあり、これを抑制する必要がある文書は電子化対象とすることをおすすめします

  • 日常的に開錠しているキャビネットに保管しているなど、いつでも誰でも持ち出せてしまう
  • 使用頻度が高く、ファイリングミスや返却もれによる紛失が発生している
  • 古い文書で、既に劣化が激しい

これらは電子化し「電子データ活用紙原本保管」することで、リスク抑制できます。



災害時の対策が必要なもの

企業には、「組織の存続に関わる文書」や「代替情報が他にない文書」など、バイタルレコードという文書が存在します。これらは災害時の水没・焼失から守る必要があります。バイタルレコードとして挙げられるのは、以下のような文書です。

  • 設計図、見取図、品質管理に関する資料など、復旧・代替生産に必要な文書
  • 統制、法令遵守、説明責任を確保するための文書
  • 権利義務の確定、債権債務を確保するための文書

イタルレコードは電子化し、電子データを分散管理したり、紙原本を遠隔地で保管したりすることで安全性が確保できます。


文書の仕分けを適切に行うことで、一つひとつの文書が正確に位置づけられ、ペーパーレス化への道筋が見えてくるでしょう。


 3  自社で行うか代行会社に委託するかを決める

次に、紙文書の電子化作業を自社で行うか、代行会社に委託するかを決めていきます。
自社で作業を行う場合のメリットは、委託費用がかからず社内にノウハウが蓄積されることや、紙文書を社外に出さずに電子化できることです。ただし、運用やスタッフ雇用、設備・環境の準備を自社で行わなければならないというデメリットがあります。
一方、代行会社に委託する場合のメリットは、作業による手間を省くことができ、短期間で高品質なデータを得られることです。しかし、ノウハウが社内に蓄積されないというデメリットがあります。

自社で電子化する場合と代行会社に委託する場合のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
自社で電子化するか、外部委託か?  メリット・デメリットを解説


また、紙文書の電子化における作業期間については、以下の記事で実例を交えて解説しています。
事例から紐解く!紙文書の電子化に必要な期間とその要因



——ここからは紙文書の電子化を代行会社に委託することが決まった場合の以後の流れです。
代行会社に委託する場合には以下の流れになります。



 4  委託先を選定する

委託先の選定には以下のポイントを考慮する必要があります。

品質

委託先の候補となる代行会社の品質検査管理体制を事前に確認することが重要です

セキュリティ

情報漏えいを防ぐため、セキュリティ対策を実施しているかどうか確認することが必要です。
プライバシーマークや、ISO/IEC27001など情報セキュリティに関する資格認証の取得有無が判断材料になります。

価格

見積が要求事項をすべて含んだ価格になっていることを確かめましょう。
要求事項の欠落があると追加費用が発生する可能性があるため注意が必要です。複数の代行会社に相見積もりを依頼する際には、作業における前提条件仕様が共通したものになっているかを確認することも重要です。

委託が可能な範囲

インデックス作成やOCR処理など、委託可能な範囲を確認することも重要です。
1社で対応できると、窓口となる担当者の負担が少なくなります

品質についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
書類の電子化:価格だけでは見えない“品質”の大切さ



 5  見積もりをとる

概算費用の段階で複数の会社に見積もりを依頼する際は、電子化費用の項目仕様前提条件を明確化してもらうことが重要です。これにより、見積もりの比較が容易になります。
電子化にかかる費用は、以下の項目で構成されます。

  • 電子化の作業に関する費用(準備作業、スキャニング作業、ファイル名の付与、画像検査、画像補正納品データの加工など)
  • 紙文書の受け渡しや成果物の納品にかかる運搬費用
  • 追加要望に応じた費用(属性情報の入力、OCR処理、廃棄、外部倉庫への移管など)

これらの費用を踏まえて、仕様を確定させ、正式な見積を依頼します


見積依頼の方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
書類電子化の見積依頼完全ガイド:簡単な手順と注意点



まとめ

ペーパーレス化を推進するためには、まず不要な文書削減することが重要です。保管義務のない文書や保管期間が満了した文書、管轄外の文書など、廃棄ルールに定められた文書をまず廃棄しましょう。廃棄ルールが定められていても判断が難しい文書もあるので、廃棄の判断ができる担当者や上長と協力して行うとスムーズに進められます。
個人情報機密情報に関しては適切なルールに従って処理しましょう。

次に、残った文書を「電子化する文書」、「倉庫に移管する文書」、「執務室で保管する文書」に分類します。
電子化する文書は使用頻度共有度が高いもの、検索スピードが求められるもの、紛失劣化のリスクを抑制したいもの、災害時の対策が必要なものを対象としましょう。

その後、電子化の作業を自社で行うか代行会社に委託するかを検討し、委託先の選定や見積もり依頼を進めていきます。


当社は高品質な文書の電子化サービスを提供し、お客さまのスムーズな文書管理をお手伝いします。セキュリティに配慮し、厳格な品質管理のもと作業を行っています。また、ペーパーレス化の効果とメリットを最大限に引き出すために、紙文書の利用や保管の状況をヒアリングして課題を洗い出してから、お客さまに適したプランをご提供しています。
ペーパーレス化のことでお困りでしたら当社にご相談ください!


導入事例   

  食品メーカーB社様 | 社内全域の書類の電子化と書類削減 | 文書管理の業務改善を図るなら - ジェイ・アイ・エムのスキャニングサービス 書類の電子化と、電子化後の書類廃棄を一括して代行!社内全体を対象としたペーパーレス化に取り組んだお客様の事例をご紹介し、その中で、内製作業と当社への外部委託を組み合わせることで各部門の負担を軽減した方法を明らかにします。 書類を電子化して業務を効率化 - 書類の電子化ならジェイ・アイ・エム


書類の保管状況を伺ってから、ご要望に沿ってお見積もりします。
サービスに関する質問などお気軽にお問い合わせください。
「どのように電子化を進めたらよいか」のご相談も承っております。

月間人気記事ランキング