高品質な電子化が支えた原本廃棄という大きな決断
導入前の課題 |
保管期限を過ぎた書類が本社に収まらず、保管スペースが限界に 原本を廃棄するためには、確実にスキャニングできる手立てが必要 |
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導入の決め手 |
セキュリティや品質に対する徹底した取り組みがあったこと 電子化から廃棄までを一社で完結できること |
導入効果 |
外部の保管スペースを削減でき、本社内での集約が可能になった 電子化の品質に信頼が持てたため、原本を廃棄する判断ができた 過去資料を閲覧する際の煩雑な作業が軽減された |
お客さま | : | 製薬会社A社様 |
対象文書 | : | 医薬品開発資料(A4、A3) |
数 量 | : | 通算90万ページ |
作業期間 | : | 通算16か月 |
お客さまは、医薬品の開発や製造、品質管理の過程で発生する様々な記録類を長期間保管する必要がありました。これらの書類は法令や社内規定により一定期間の保存義務がありますが、業務上の必要性からその期間を超えて保管していました。その結果、年数の経過とともに、保管期限を過ぎた書類が蓄積し、本社の保管スペースに収まらなくなっていました。そのため、やむを得ず、外部の建物に保管せざるを得ない状況となっていました。
この状況を改善すべく、お客さまは本社内で収納可能な保管量に抑えることを目指し、不要書類の整理を進める方針を立てました。
原本の廃棄を検討する中で、PDF形式で電子化して保存する方法が候補に挙がりました。ただし、その実現には、電子化された画像に漏れや欠損が生じないようにする、確実な体制が求められました。こうした背景から、保管スペースの削減と、書類を正確かつ、漏れなく正確に再現できる電子化の手段を確立することが課題となっていました。
導入の決め手は以下によるものです。
セキュリティや品質に対する徹底した取り組みがあったこと
電子化作業においては、スキャナーに「重送検知機能」が搭載されていても、現場で作業手順を誤ることでスキャニング漏れが発生するリスクがあります。たとえば、重送検知による停止時に、原因となった原稿および前後の原稿の取り扱いを誤認し、未スキャンの原稿がそのまま処理されないケースがあります。
こうしたリスクを回避するため、当社ではスキャニング後の画像と原本を1枚ずつ照合する「目視検査」を実施しています。人の目による最終確認を加えることで、スキャニング漏れや画像の不備を防ぎ、確実性の高い電子化を実現しています。
このような品質管理体制が、「電子化後の画像を原本の代わりにできるか」という判断を支える要素となり、原本廃棄を前提とした本件において、当社をご採用いただく決め手となりました。
加えて、電子化後の書類の廃棄までを一貫して対応できる体制を備えていることも、ご評価いただきました。当社では、検収完了後の原本を、当社社員が同行のうえで提携先の機密溶解処理業者に搬出し、機密文書として適切に処理を実施しています。
複数の業者にまたがる煩雑な手配が不要となることで、作業や管理の手間が軽減されるだけでなく、情報漏えいリスクの低減にもつながり、より高い安心感を得ていただく結果となりました。
作業場所 | 当社平和島センター(東京都大田区) |
引き取りのタイミング | 初回は既に保管されている書類を対象とし、その後新規で発生した書類を、年1回程度お引き取り *各引き取り作業は2回程度に分けて実施 *引き取り時に対象リストと管理番号を照合し、その上で、当社社員による配送便にて引き取り |
電子化の仕様 |
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納品の仕様 |
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納品方法 | DVD-R(正副) |
電子化後の書類の取り扱い | 廃棄(必要に応じて一部を返却) |
お客様にあげていただいた導入効果です。
過去資料を閲覧する際の煩雑な作業が軽減された
必要なときに電子化されたデータをすぐに確認できるようになり、原本を取り出す手間がなくなりました。文書の検索や閲覧が簡単になったことで、過去資料を扱う際の作業負担も軽減されました。